珠美さんというその女性は生まれつき重度障害があり、ご自宅でずっとご両親が介護をなさっていました。お母さまががんで亡くなられてからは福岡市内の施設へ入所されることになります。
だんだんと表情が乏しくなっていく珠美さんの姿を見て、お父様は「もう一度娘の笑顔が見たい」と施設スタッフに希望を伝え、依頼されたソシオエステティシャンの私たちが訪問することになったのです。
週1回の訪問を1年半続け、ようやく本人とコミュニケーションが取れるようになり、心地良さを感じている珠美さんの様子が見てとれるようになりました。
その矢先にコロナ禍で施設出入り禁止となり、会えないままでのお別れとなってしまいました。
お父様もコロナ禍でほとんど施設へ面会に行けず、悔しい思いをされたことと思います。
それから今度はひとりになったお父様のもとへ訪問するようになりました。いざご自身が病気になった時、これまで珠美さんの施設以外に行政や福祉との繋がりが無かったため、どこに相談して良いか分からず私たちに連絡がありました。その後、地域包括支援センターや病院へ繋ぐことになりました。
そのようにしてお父様との人間関係が深くなってゆき、「娘と同じ障がいを持つ子どもやご家族のために役立てて欲しい」と、『NPO法人ソシオの杜』へ寄付の申し出があり『珠ちゃん基金』を立ち上げることになりました。
『珠ちゃん基金』とは、はじめは「珠美さんのご家族が大切な日々を過ごされてきた地元や入所していた福岡の障がい者施設の利用者様を対象にソシオエステティックを提供する」目的の寄付金活用を望んでおりました。
しかし、コロナ禍で全ての施設への出入りが制限されてしまったこともあり、「他県でも望む人がいて、それを活用してくれる場所が出来るのならそれでも構わない」というお父様からの温かいお言葉を頂戴し、寄付金の一部を使って佐賀大学医学部附属病院のそばにサロンをオープンする運びとなったのです。
カウンセリングで話を聞き、お困りごとや心配なことがないか丁寧に聞いていきます。
体の痛いところや気になる所をアロマトリートメントやドライマッサージでケアしていき、施術が終わった後もお話を希望される方には、スタッフが対応し「また、ここにきたい」と思っていただくことで、外に出る気力も湧き、次の予約を楽しみにされ、気持ちも前向きになれます。
毎週同じ曜日・同じ時間に訪問することで、その時間に身支度をされる習慣がつき、曜日や日にちを正確に把握できるようになります。
スマホやタブレット端末・パソコンなどを活用し、遠く離れた息子さんや娘さんたちに元気な姿をお見せするお手伝いをいたします。
端末は私たちで準備し、機械操作が苦手な方にもスタッフが丁寧にご説明いたしますので、いつでも安心してご利用いただけます。
※ここでいうマッサージとは、エステティック施術において、美と健康の維持を目的として行い、肌や体に対して穏やかに働きかける行為であり、医療類似行為としての「マッサージ」とは異なります。
個室の施術ルームにて、悩みを打ち明けやすい環境をご用意しています。また、身体に直接触れることで我慢していた涙を流し、カタルシス(浄化)されることもあります。
抗がん治療で爪や肌に問題が生じている方にはアピアランスケア(見た目のケア)を行い、下を向いていたお顔を上げ前向きな姿勢や気持ちを取り戻すことができます。
こわばった体をトリートメントすることで
心地良さを感じることができます。
自分だけの癒しの時間を持っていただくことで、あなたの明日への活力になります。
また、誰にも言えなかった弱音をはける場所としてご利用ください。